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寒いとこ在住のファイナンシャルプランナーです。FPならではの「年金&保険&税金&金融&不動産&相続贈与事業承継」がからんだことをブログにしてみます。

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高齢者が家を借りれるのか否か 現場の話

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家は購入派?賃貸派?損?得?

ブログやらYouTubeやらとにかく色んな媒体で見かける議論。

現状のまま人口減少やら賃貸物件建設が進むと、2040年にはあきらかに買うより借りた方が生涯居住費がかからないと言われている。

 

今回は高齢者が賃貸する実情がどうなのか、居住地の某地方都市の現場をお伝えする。あくまで現時点での私の周りの話だということをご了承ください。

結果をいうと、なかなか借りることができないという話。

 

 

高齢者が家を借りれるのか否か 現場の話

高齢者の賃貸仲介の流れ

賃貸管理の現場では、仲介業者と管理業者を兼ねているところが多い。

大手になると、仲介と管理を分けてはいるが、グループ会社だったりもするし。

 

一般的な賃貸仲介は「問い合わせ→内見→申込→審査→許可→契約(諸費用支払)」という流れになっている。

 

高齢者の申込者については審査にかける前に、大家さんに入居させてもいいか確認を取っている。確認を取ると大抵の場合ダメだって言われちゃうんです。

 

高齢者って何歳なの?という話だが、体感的に70歳前後位でしょうか。

今の高齢者は頭も体も元気な方が多いから、70歳だとまだまだという印象だよね?

 

でも住む場所って高齢者になるほど一旦住むと定住する。

入居時70歳前後なら大家さんから言わせると、亡くなるまで入居というイメージなのです。高齢者の亡くなるって孤独死のこと。

 

亡くなる=心理的瑕疵物件=家賃下がる=売ろうと思っても物件価格も下がる。

大きな借金して建てた&購入した物件が不良債権になってしまうというわけ。

 

孤独死じゃなくても、認知障害が始まってくると家賃を滞納したり、今まで物件をキレイに使ってくれていた方なのにゴミを溜め込んだりする。

 

高齢者特有のリスクを大家さんは背負うことになるからダメっていうんです。

 

 

大家さんってどんな人?

・地主で自前で建てた人 

・不動産投資家

・副収入として所有

・相続で引き継いだ

こんな感じでしょうか。

 

不労所得と言われるだけあって、本業がありながらも所得を増やすために不動産オーナーになっている割合は高い。本業を頑張っているから余計な手間が発生したり、なるべくリスクが増えることはしたくないというのもわかります。

大家さんに管理業者から連絡がくるのは、入退去時、修繕、苦情の時くらいかな。

 

もちろん不動産をたくさん持っていて専業大家で忙しくしている方もいる。

 

希望がもてることもお伝えるする

賃貸不動産に積極的なスーパー大家さん

中にはこれから高齢者時代なのだからと、何かしらの生存確認が取れるならいいよと約束をして賃貸契約を結ぶ大家さんもいらっしゃる。

 

例えると

・宅配弁当を契約する

・セキュリティ会社と契約して毎日生存が確認できる機器を導入する。

・訪問介護の人が定期的にくる

・宅配牛乳(必ず目の前で渡す)を契約する

・定期連絡する

上記のように、頻繁に入居者と関わって元気なことが確認できたり、万が一の時はすばやく発見出来るなら物件にキズがつかない訳ですから。

 

こちらは不労所得といわれる不動産経営に、積極的に動いてくれる大家さんのパターン。さらに管理会社も協力してくれるというのが前提です。

 

管理業者が積極的なところもあり

大家さんを説得し、通常じゃやらない高齢者向けの業務を追加して、高齢者の入居OK物件を積極的に展開している管理業者もある。

 

高齢者が賃貸できる検索サイトの紹介

高齢者が賃貸することができる不動産業者がどこかを探すのも一苦労だと思う。

そこで、協力してくれる民間の物件を検索できるサイトを紹介。

 

平成29年4月に住宅セーフティネットが改正された。

住宅セーフティネットとは公営住宅の増加が見込めない中で、被災者、低所得者、高齢者、障害者、子育て世代などの住宅確保配慮者の入居を拒まない民間住宅の新たな登録制度になります。

www.mlit.go.jp

 

こちらは登録されている 民間の住宅を検索するシステム。都道府県ごとに検索できます。物件自体は少ないけど、登録物件は大家さんが住宅確保配慮者に入居可で募集している。

www.safetynet-jutaku.jp

 

ライフルホームズでは「FRIENDLY DOOR」というサイトを開設し、「外国籍」「LGNTQ」「生活保護受給者」「高齢者」の4つのカテゴリーから相談可能な不動産会社を検索することができます。

こちらのサイトはまだ新しいので充実されてはいないけれども、これから増えていくだろうと思っております。

actionforall.homes.co.jp

 

最近多いなぁと思う高齢者の売買と賃貸がからむ相談

高齢者から最近立て続けに相談を受けている中身だが「築古の家の売買と賃貸」である。

 

築古の家を単身または夫婦で住むには広すぎるから売って、交通の便がいい賃貸に引っ越したい。年齢は70~80代が多い。

まだ元気だから、施設にも入居したくはない。

 売買もからむから、お金も用意できる。

相談にくる高齢者はお金もあるし、元気だし、信用情報にキズがあるような人ではありません。相談にくるまで高齢者に貸してくれる大家さんがなかなかいないっていう現実を知らなかったためショックを受ける。

そして認知障害が始まってくると売買ができなくなることも知らないので、またショックを受ける(認知障害がある人を騙して財産を取られることを防ぐ目的から)。

売買できなくはないけど、別な手続きを伴って時間がかかる。

 

宅建兼FPなので、資産と生活希望を聞いた上で具体的な対策を提案した。

いくつかは実行できたけれども、相談したものはいいものの年齢的に大きな決断をする勇気が持てずそのまま停滞の方もいらっしゃる。

 

高齢者になっても賃貸を考えている方は、国の政策がもっと進んでくれることを願うか、ずっと住める家を確保する計画をオススメする。

 

こちら有名な本です。

賃貸で住み続けることの実録集みたいな本です。