ねんきん定期便の見方-2019年版
ねんきん定期便が2019年4月から全面的に改訂された。
新しいねんきん定期便の見方を知って、自分が老後になった時にいくら受給できるのか確認してみよう。
ねんきん定期便の見方-2019年版
ねんきん定期便は50歳以下と以上で様式が少し違う。
定期便は毎年自分の誕生月にハガキで郵送され、35歳、45歳、59歳には全期間の年金記録情報がわかるA4の封書が郵送される。
50歳以下と50歳以上で何が違うのかというと、50歳以上の定期便は現在加入している年金制度のまま60歳になるとして、見込み額がわかる。
50歳以下は今まで納付した額で計算した実績による受給額である。実績なので若い方はかなり少ない額で記載されている。
ねんきん定期便50歳以上の見方
①照会番号
問い合わす場合に必要な個人別番号
②年金見込み額のイメージ図
定期便が改訂されたのはココの部分。
イメージ図を載せて比較対象しやすいようにしたらしい。
国の70歳まで働こうとか、いずれは年金支給を70歳にしたいという思惑がスケて見えると感じるのは私だけかな…。
現在の年金加入制度にそのまま60歳まで継続加入した場合の、65歳から受給できる見込み額
左側の縦棒は65歳から受給した場合
右側の縦棒は最大増額に繰り下げ受給した場合(70歳まで繰り下げ)
繰り下げは月ごとに0.7%づつ増額され、最大+42%増となる。
③これまでの保険料納付額(累計)
「国民年金保険料」欄
・実際に納付した保険料額(付加年金込み)
・免除期間は免除後の実際に納付した保険料額を基にしている
「厚生年金保険料」欄
・加入当時の報酬に加入当時の保険料率を乗じた被保険者負担額のみ表示
・事業主負担分は含まれない
公務員と私学共済厚生の計算については細かいので割愛させてもらいこちらを参照してください。主に育休時の計算方法です。
③は納付実績なので、納付実績を積み重ねてこれから増額していく。
④お客様へのお知らせ
状況に応じた年金に関する情報
⑤最近の月別状況
国民年金納付状況は「納付済」「未納」「半額免除」「全額免除」「3号」「半額未納」「3/4免除」「3/4未納」「1/4免除」「1/4未納」「学得」「猶予」「産前産後」「付加」「合算」「未加入」で表示される。
未納の場合は2年以内であれば保険料納付でき、将来受給できる老齢基礎年金額を増やすことができる。
厚生年金保険は加入区分を「厚年」「基金」「船保」「公共」「私学」で表示され、産前産後休業免除期間は保険料額が0と表示される。
⑥これまでの年金加入期間
受給資格の有無を、どの種別に何カ月加入していたか確認する。
受給資格が今までは25年だったが、10年(120月)に短縮になった。
・国民年金を前納している場合、定期便作成後の納付部分も合算されている。
・合算対象期間とは、(1)国民年金に任意加入している期間のうち、保険料を納めていない期間の月数(例えば、海外移住期間や学生など)と、(2)国民年金の切替の届出(3号から1号)が遅れたことにより、時効によって保険料を納めることができなくなった期間のうち、「特定期間該当届」をご提出いただいている期間の月数。(昭和61年4月から平成25年6月までの期間に限る)のことをいう。
⑥は、納付期間、免除期間、合算機関を足した月数が120月以上だと受給資格があることになる。
⑦老齢年金の種類と見込み額(年額)
50歳以上の方は現在の年金加入制度に60歳まで加入したと想定した見込み額が表示されている。50代で給与がガクンと下がる企業も多いので、毎年郵送される定期便のチェックを怠らないようにしよう。
老齢基礎年金は1号(未納除く)、3号、厚生年金、船員保険期間で、付加年金も含まれている。一般的に1階部分と呼ばれる箇所。
老齢厚生年金は年金制度の一元化で共済年金も厚生年金に統一されたが、記録、管理、徴収などの事務は各実施機関が行っているので分かれて記載されている。
・家族による加算の、加給年金や振替加算は含まれていない。
・離婚などにより、厚生年金保険の標準報酬が分割対象となった方は、分割後の標準報酬を基に計算。
特別支給の老齢厚生年金とはなんぞや?と思った方は過去ブログに説明しているので参照してください。なお、特別支給の老齢厚生年金は繰り下げが出来ない。勘違いしてる方はとっても多いのでその説明をしています。
⑧お客様のアクセスキー
「ねんきんネット」のユーザーIDを取得する際にしようする番号。基礎年金番号ではない。有効期限が3カ月なので、届いたらお早めに登録しよう。
50歳以下のねんきん定期便の見方
50歳以下は50歳以上と違う箇所だけの説明になります。
①これまでの納付実績による年金受給イメージ
50歳以上と同じく、ココが改訂されたのだが、イメージ図を記載してわかりやすくしたらしい。比較対象があると主観的に考え選択しやすくなるそうな。
②これまでの年金加入期間
50以上と違うのは納付実績だということ。
見込み額ではないので、これからの納付によって増額していく。
ねんきんネットサイトを活用しよう
ねんきんネットでは、これまでの自分の年金記録の確認や、将来の見込み額、年金シミュレーションなどが行える。
ねんきんネットを利用するには登録が必要なので、登録してぜひ活用してみよう。
年金は貰えないという議論はいつからあるの?
年金は貰えないという議論はいつから起こっているか知っているだろうか?
日本がお金で最強に強かったバブル期にはもう言われていて、当時20歳位の人が現在年金を貰うお年頃になっているのである。
当時からその議論を信じて年金を支払っていない人はいる。特に個人事業主に多い。
信じずにそのままずっと払わず、最低受給資格が10年に短縮された時に追納の件でよく相談を受けたものだ。
年金とは優良金融商品
天引きされ結構な金額を支払っているのだから、文句を言いたくなるのはとってもわかる。けど!年金とは優良金融商品なのだ。
国民年金=老齢基礎年金はどのくらい支払ってどのくらい貰うのか?
例えば、国民年金令和元年度支払額は16,410円/月である。
年にすると196,920円。前納制度で最大189,820円になる(2年前納)。
20歳から60歳まで40年間払うと196,920円×40年=7,876,800円払う計算。
今の平均寿命(今回は寿命が短い男性で計算)は81歳。
令和元年度の国民年金年額は780,100円。
65歳から受給したとして17年受給すると、780,100円×17年=13,261,700円貰う。
こんな手間がかからず増える商品はあるだろうか。
金融商品は株や投資信託では価値が下がる危険をはらみ、保険だったらこれほど膨れ上がることもない。定期保険の金利なんてないようなもんだし。ついでに障害と遺族の保険もついてくる。
これは単純に計算したので、昔は支払額も現在ほどかかっていないし、将来の年金受給年額は変わるだろう。平均寿命だって伸びている。
それでも!!どうだろう?この素晴らしい金融商品。
「終身」これが素晴らしいのだ。
ちなみに年金を払っていないとiDeCoもできない。国民年金基金も。
税金優遇はきちんと払っている人への特典ともいえる。
まとめ
ねんきん定期便が届いたら、チェックしよう。
特に転職を繰り返している人や育休を取っている人。
漏れがないか確認して、疑問が浮かんだら年金事務所に問い合わせしてみよう。
定期便はわかりやすく作られていると思います。
定期便を見て、資産運用や、老後の計画も立てやすいでしょう。
いずれブログにしようと思っているのだけど、年金は繰り上げも繰り下げもできて、最大プラス42%まで増額させることできる。
年金が増額されるということは、所得税住民税も支払いが多くなる。
健康保険料、介護保険料、負担率にも関わってくるから、年金増額でお得とはならない場合もある。
年金受給は所得のシミュレーションをして、受給年齢を決めるのが手取り額を増やすと考えるにあたってとても重要。
もちろん、他の収入や蓄えも考えなくてはいけないので、受給を決める時は税理士やFP等に相談料を払ってでも計算してもらう方がいい。一度決めたら変えられませんからね。