奨学金の滞納率を読み解く
親子共に見て欲しい奨学金を延滞しやすいかもしれないデータ
奨学金を申請したのが「親」だと延滞者予備軍になるかもしれない?!というデータを解析してみよう。
これから参考にするものは「平成30年度奨学金の返還者に関する属性調査結果」という日本学生支援機構によるアンケート調査。
実際に奨学金を返済している人に返信用封筒やインターネットによるアンケート結果を用いたもので、延滞者と無延滞者の回答からわかることをブログにしてみた。
教育費なんだから国はタダにしろよ!という政治的なことは置いといて、今現在日本はそういう仕組みなのだから今を生き残る知識です。
奨学金の申し込み手続きを親がやると延滞者になるかもしれない
奨学金を誰が申込したかの結果だと、無延滞者が「本人」で65.6%を占めているのに対し、延滞者は「本人」手続きが36.7%である。
申し込み手続きを本人がやらなかった場合、延滞者が多いのは分かりやすい理由だと思う。
奨学金なんて名称だけど子供が返していく借金なのだから、何歳まで返すのか?金利はいくらなのか?借金を負ってまで大学行きたいのか?毎月いくら返すのかなど子供がよくわからないまま親が申込みしちゃうんだもの。
受験でタイヘンだからって親心は置いといて、じっくり親子でお金の話をしましょう。
奨学金は返さなくていいと思っている人がいるらしい
「返還義務を知った時期」のアンケートでは、なんと延滞者の22.7%で「貸与修了後」「返還開始~催促前」「催促状を受け取ってから」がいるという驚きの結果。
延滞してる人の5人に1人が奨学金は返さなくていい、もしくはいつから返済すんのかなぁと漠然とわからないままだったということなの…?
「催促受けてから」っていう人も11.5%ってどういうことなの…。
その他の結果
「主な返還者」
主に返済している人は延滞者だと「本人75.5%、親20.2%」に対し、無延滞者は「本人86%、親10.9%」となっている。
さらに上記を深堀りしてみると、奨学金返済の原資は「給与など所得」が一番多いけど、延滞者で「年金」を原資にしている割合が8.4%いる。
つまり、年金収入の親が返済していて延滞している一定数がいるということ。
奨学金15年以上返済なんてザラだから、親が返済していると年金受給年齢になっちゃうよね。
「本人の職業と年収」
延滞者では「正社員が55.1%」に対し、無延滞者では「正社員が82.7%」となり、所得格差により延滞していることがわかる。特に延滞者の女性で「非正規社員40.7%」は顕著。
年収も延滞者が「年収300万円未満を66.8%」占めるのに対し、無延滞者の「年収300万円未満は46.3%」である。
ここで面白いのが、年収が600万円以上でも4%程延滞者がいるということ。踏み倒そうと思っているのか、もしくはズボラなのか。
住宅ローンでもたまにいるんだよね。高所得者なのに滞納しちゃってる人。滞納すると信用情報にキズがついて色んなローン組めなくなっちゃうのに。
奨学金を延滞する理由
延滞するには様々な理由があります。自分や親や配偶者の所得、病気等で働けなくなった、そもそも借りた金額が多すぎて返済がキツイ、家計費の増加、他の借金返済を優先したなど多岐に渡ります。
延滞が始まった理由のNO.1は「収入が減った」こと。
まだ稼げない若い内に転職や病気しちゃうと、あっという間に延滞者となってしまうのは容易に想像できます。
奨学金返済が難しい時は
何かあった時、所得が途切れ生活に困窮した「猶予」「減額」という制度があります。
下記のデータは「猶予制度について」いつ知ったかになるが、延滞者の場合、申込時に知った割合が低いのがわかる。「通知」「相談センターに電話して」「債権回収センター」の割合が多いということは、既に延滞が始まったとか、本当に困窮して初めて行動したということ。
予備知識があったらならば、困窮する前に対策できたはず。
まとめ
奨学金は借金です。給付型の奨学金は所得制限などがあり、まだまだ貸与型の借金に頼る人が多いでしょう。また給付型は月額上限があるので、生活費も合わせると全く足りず、給付型と貸与型を併せてる人もいるでしょう。
その奨学金は本人が返していくものだから、ぜひ親子でとことん話し合って内容を確かめ、生活費にいくらかかるのかまで一般常識を教えて、申込書は本人に書かせましょう。
大学生時の奨学金なら最低でも高校2年生の内に話し合う。
高校3年の4月下旬には奨学金の受付が始まるから。
お金の教育を家庭内でタブーにしないで欲しいなぁ。