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寒いとこ在住のファイナンシャルプランナーです。FPならではの「年金&保険&税金&金融&不動産&相続贈与事業承継」がからんだことをブログにしてみます。

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前面道路が私道の場合のデメリットあれこれ宅建士が本音を漏らしてみる

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「私道の持ち主サインくれないんだけど?」
「道路の掘削サイン貰えないだって?」
「私道持ち主に全然連絡取れないってば!」
「通行禁止にし始めた?」
これは全部私道トラブルの会話です。
不動産屋で働いてます。私道の売買仲介でよくあることです。
そんな私道の事を記事にしてみました。

前面道路が私道の場合のデメリットあれこれ宅建士が本音を漏らしてみる

私道とは=所有者が都道府県市などの「公」以外の道路です。詳しいことになると建築基準法の42条○項○号~~などありますが、今回はそういう専門的な話じゃないので省きます。
家を建築するには接道している道路が重要です。なぜ重要なのかというと建築基準法により再建築不可になる土地があるということと、該当道路に何かしらの規制があるかもしれないというのを前提に徹底的に調べ上げます。

住宅購入に予算があって、それが思ったより住宅部分にかかると土地にかけられる予算が限られてきます。子供の学区の問題やどこどこに住みたいと希望いてみるものの予算からハミ出てしまう。そんな時予算内に収まるのが私道に接道している土地でした。よくある購入パターンです。

ちょっと待って?将来こんなことがあるかもしれないということを知ってから購入しましょう。

私道トラブルはこんなことが起こるかもよ?例①

私道接道の土地を購入してから某年、水道管の破損が生じた。道路から水が溢れまくっている。水道局に連絡したけど個人の物だから対応出来ないという返答がきた。所有者に連絡して急いで修繕してもらった。その何年か後、住宅を売ることになった。購入者は古い家を取り壊し二世帯を建てたいとのことである。二世帯ならば水道管引込の口径を太くした方がいいですねーということで仲介業者は水道管の所有者に連絡を入れてみた。だが所有者はサインしてくれない。なんかすごい怒っているのだ。水道管破裂事件時、ものすごい剣幕で修理を急げと怒鳴られたそうな。所有者は別な場所に住んでいるため実際にその水道管は使用していない。確かに所有者ではあるが、ウチの水道管に繋いでおきながら修理費出せ早く直せと非常識にも程がある!とおっしゃる。そんな経緯でサインは絶対しないと言い張り、売買契約は流れてしまいました。

私道トラブルはこんなことが起きるかもよ?例②

突然私道所有者が通行料を取ると書類を送ってきた。ずっとここに住んでいてたけど通行料なんて発生したことがない。話を聞くと私道に面している住宅の誰かが私道所有者とかなりモメたようだ。ここはもう何十年も前に引いた道路で経年劣化により剥がれなどが生じている。モメた誰かが修繕しろとしつこくしたらしい。今の所有者は相続で道路を引き継いだだけであり、普通のサラリーマンで道路を修繕するお金もなければその私道に面した場所に住んでもいない。だから通行料を取り修繕費用にするという話なのだ。

このように公道ならばありえない話が出てくるのが私道です。

宅建士なので、重要事項説明書と一緒に説明もしますし、特約文言にもウザい位載せますよ?
説明しても「道路は道路でしょ」と軽く考えたままの方がいますし、「家を建てれる~」という興奮で冷静じゃない人もいます。

私道には色んなタイプがありますが、自分だけの意見で物事を勧められない。これにつきます。

それでも私道接道の土地を買うならば&買ってしまったならば

道路とインフラ設備は使わせて貰っているという感謝を忘れないようにしましょう。
何か起こったならば、書面を交わし約束事をしましょう。
修繕にはお金がかかるのです。それが無償で行われるものだとは決して勘違いしないでください。「公」じゃないモノです。
家を買う時には道路に関しての書面が引き継がれるのか確認しましょう。ないならば購入前に書面で私道所有者と交わしましょう。

購入時は想像出来ないかもしれませんが今現在キレイな道路の30年後、50年後を想像して下さい。
公道なら定期的に補修が税金でされますが、私道は補修されません。どんなに道路がデコボコしていようが、文句は言えません。どうしても直したいなら代わりに払いますからとでも言わないと直らないかもしれない。そんな覚悟を決めて購入しましょう。